自動車産業は今後さらに成長するのか、またはどのような死角があるのか。この問いに答えるために、8回の連載で自動車業界を取り巻く各国の産業構造(セミマクロ)や、世界自動車メーカーのポジショニング、さらに将来の自動車ビジネスモデルの変化を捉え、自動車産業の持続可能性を検証していく。
鈴木裕人
第8回(最終回)
第7回までの連載を通じて、マクロとミクロの両方の視点から日本の自動車メーカーの強みと課題を整理してきた。最終回の今回はこれまでの考察を踏まえつつ、日本勢としてどのような勝ち筋のシナリオが描けるかを考えてみる。
第7回
第6回に続き今回も、自動車ビジネスの生命線である「商品」の切り口から、今後の大きな三つの変化のトレンドについて考えてみる。
第6回
第5回では、自動車ビジネスについてミクロな事業の経済性という観点からの潮流を考察してきた。今回は、自動車ビジネスの生命線である「商品」の切り口から、今後の大きな変化のトレンドについて考えてみる。結論から言うと、“広義の”自動車ビジネスでは今後、以下のような三つの切り口による既存の商品ドメインのコンバ…
第5回
第4回では、自動車ビジネスの本質的価値(コモディティ化)の可能性について考察した。今回は、よりビジネスとしての経済性の視点から、自動車業界で起こりつつある勝ちパターンの二極化のトレンドについて考えてみたい。
第4回
第1回から第3回までは、主に「国」対「国」のマクロな産業競争力の観点から、日本の自動車産業のポジションを考察してきた。今回からは、よりミクロな視点から「自動車ビジネス」について考える。そのためにまず、自動車ビジネス=自動車メーカーの持つ本質的価値について整理してみる。
第3回
第2回では、世界全体の中での各国の産業競争力と、その中での自動車産業の位置付けの違いを紹介した。今回は、日本の自動車産業にとって最大のライバルであるドイツに焦点を当てて、その強みと弱みを分析する。
第2回
前回は、日本の基幹産業である自動車産業について、以下のような内容を紹介した。 ・日本の自動車産業は、浮き沈みはありながらも内需主導の新興国の中長期的な成長に牽引されていく。 ・一方、新興国の中で二極化が進み、マクロ経済的な観点から見た各国間の経済的な序列は固定化に向かっている。 ・その中で日本の四輪…
日本の自動車産業が絶好調である。足元では、ここ2~3年にわたる為替水準の円安化が一段落しつつあるにも関わらず、日本の自動車メーカーは引き続き高い利益水準を保っている(図1)。私自身子供の頃より、自動車メーカーのエンジニアであった父から「日本はものづくりを基盤に付加価値を創出して輸出により豊かになった…