中国のキャッシュレス化はとどまることを知らない。支付宝(アリペイ)と呼ぶ電子決済サービスを提供している中国の電子商取引大手のアリババ社は、「淘宝造物節」(淘宝メーカーズフェア、2017年7月8日~12日、中国杭州、淘宝は楽天のようなECモール)の会場で、無人店舗の模擬店を開設した。顔認識や自動検知、自動追跡、電子決済などの技術を活用して、利用者が入店時のスマホ登録だけで買物できるようにした。約200平方メートルの模擬店内では、最大50人が買物できる。中国では、6月中旬に上海市で1回の買物で1人しか使えない無人コンビニが登場したばかりだった。しかも店内でスマホを操作して支払わなければならなかった。

無人店舗の名前は「TAOCAFE」
無人店舗の名前は「TAOCAFE」
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 模擬店の名前は「TAOCAFE」。店のコンセプトは「take and go」。店内で30以上のカメラや大量のセンサーが設置しており、店内にいる顧客の動きを追跡している。顧客が買いたい商品を手に持ったり鞄に入れたりした状態で、「支払門」と呼ばれる決済ドアを通過すると、商品代金が自動的に支払われる。買物の流れは概ね以下のようになる。

(1)店舗に入る

店内に入る様子。写真をクリックすると入場のイメージ動画が表示される
店内に入る様子。写真をクリックすると入場のイメージ動画が表示される
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 店舗に入る際に、スマホで店頭に掲示してあるQRコードをスキャンして電子入場コードを入手する。顧客がアリペイの支払いや注意事項などを承認してからゲートが開いて入店できる。その際に顧客の顔がカメラで撮影されて、アリペイ口座に連動している写真付き国民識別番号と照合して顧客を特定する。