独フォルクスワーゲン(VW)社と中国江淮汽車が2017年6月1日にドイツのベルリンで電気自動車(EV)合弁企業の契約書にサインした。ドイツのアンゲラ・メルケル首相と中国の李克強総理がサイン式に立ち会い、両国政府がこの合弁事業を後押しする姿勢を世界にアピールした。VW社にとって中国における合弁企業は、これで3社目となる。以前は外国企業が中国で合弁できる自動車企業の数は、2社という上限が設けられていたが、今回は3社目になっている。

江淮汽車が公開したサイン式の写真
江淮汽車が公開したサイン式の写真
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 合弁企業の名称は「江淮大衆汽車有限公司」、総投資額は60億元(約960億円)。資本金は20億元(約320億円)。VW社と江淮汽車がそれぞれ10億元(約1600億円)ずつ出資する。代表権も両社が50%ずつ持つ。董事長はVW社から、総経理は江淮汽車から選任する。

 合弁企業の業務範囲は、新エネルギー車の研究開発と製造。製造能力は最大36万台/年。VW社のエンジン横置きのプラットフォームをEV用に改造したうえで、EVとシリーズハイブリッド車に使うキーパーツや部品などを開発、販売、輸出する。最初のEVはAteca X-PerienceベースのSUVで、2018年に発売すると見られている。

 合弁企業が持つ「新エネルギー車クレジット」は、VW(中国)社が「第一優先購入権」を持つ。これはVWグループの中国のNEV法(ニュー・エネルギー・ヴィークル規制法)対策に大いに役立つ。

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