中国国家統計局は、2017年3月の中国製造業の「購買担当者景気指数」(PMI:Purchasing Manager's Index)を公表、51.8%だとした。2017年1月以来の2カ月連続増加となった。PMI指数が分岐点である50%を超えていることは、中国の製造業が緩やかな上昇基調にあると示唆する。

中国国家統計局が公表した中国製造業PMI指数
中国国家統計局が公表した中国製造業PMI指数
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 企業規模別から見ると大手企業のPMIは2月と同じ数53.3%で、好調を継続しているとみられる。中規模の企業は50.4%と2月より0.1ポイント下落したが、分岐点の50%を超えており、まだ上向き状態にあるといえる。小企業は48.6%で2月より2.2ポイント増。不調の状態を改善していると分かる。

 指数の中身をみると生産高のPMIは54.2%で2月より0.5ポイント増で生産の増速が見受けられる。新規受注は53.3%と2月より0.3ポイント増で、製品への需要が増えている。また、従業人数は50.0%と2月より0.3ポイント増で労働力へのニーズが分岐点に戻ってきた。原材料の在庫は48.3%で2月より0.3ポイント減。分岐点の以下なので原材料の在庫が引き続き減少していると考えられる。

 製造業のPMIは製造業の景気の好調と悪化をはかる指数で分岐点は50%である。通常50%を上回ると景気が上向き、50%を下回ると景気後退だと見る。また、製造業のPMIは、数カ月先の景気動向を反映を占う「先行指数」として幅広く注目されている。原材料や部品などを調達する購買担当者が、取引先の動向や製品の需要、自社の生産計画などを考慮したうえで仕入れを行った結果がPMIに反映されるためだ。