中国の奇瑞汽車(Chery Automobile社)は、2017年3月21日に熱効率37.1%を達成した排気量1.5Lのターボチャージャー付きガソリンエンジン「E4T15B」を開発した。このエンジンのターボーチャージャーは米Honeywell社、動力関連部品はフランスValeo社、ECU(電子制御ユニット)はドイツBosch社と協力して開発したものという。中国メーカーとして知的財産権を所有できる初のエンジンとなる。中国メーカーが現在採用しているターボーチャージャー付きガソリンエンジンの熱効率は一般的に35%程度。

中国奇瑞汽車のターボチャージャー付きガソリンエンジン「E4T15B」
中国奇瑞汽車のターボチャージャー付きガソリンエンジン「E4T15B」
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 熱効率37.1%を達成するため、まずエンジンの回転数が1250rpmのときにターボーチャージャーを起動させ、回転数が1500rpmのときにも最大トルクの90%を出せるようにした。また、ラジエーターやインテークマニホールドを工夫して、吸い込み空気を適正の温度範囲に温めながら、エンジンのノッキングを回避した。さらに、ECUの制御アルゴリズムや点火時期、インテークバルブの開閉角度を調整することで、通常運転の領域で最高の熱効率を出せるようにした。

 今回開発したE4T15Bエンジンは、近いうちに市場に投入するSUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)「瑞虎7」の新型に搭載する。