中国国家統計局は2017年3月27日に、メイン業務の年間売上高が2000万元(約3億2000万円、1元が約16円、以下同)以上の企業の営業利益の統計データを公表した。それによると、2017年1~2月の中国の工業生産利益は1兆156.8億元(約16兆2508億円)、対前年同期比で31.5%の大幅増となった。

中国の工業生産(黄色ラインは売上高の増加比率、青いラインは利益の増加比率、出典:中国国家統計局)
中国の工業生産(黄色ラインは売上高の増加比率、青いラインは利益の増加比率、出典:中国国家統計局)
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 大幅増を実現した理由は、石炭や鋼鉄、石油などの産業が過剰生産を抑えたため製品価格が急速に向上し、これらの産業の利益増加により工業全体の利益増加が引き上げられたため(関連記事:中国の生産者物価、2月は高い伸びでも製造業景気は要注意)。工業製品の41の分類のうち、36の分類で利益が対前年同期比で増加し、5の分類で減少した。

 工業製品の出荷価格は対前年同期比で7.3%増、売上高は1兆1664.3億元増加した。工業製品の購入価格の増加分を除いた工業製品の利益は2302.3億元となった。内訳は、鉱業の利益が758.1億元(前年同期はマイナスの97.7億元)、製造業の利益が8840.1億元(対前年同期比が26.7%増)。電力、ガス、熱力、水の供給などのインフラ産業の利益は558.6億元、対前年同期比で33.5%減だった。

 具体的に2017年1~2月には、農産品や食品の加工業の利益は対前年同期比で9.7%増、紡績業は同4.6%増、石油精錬やコークス製造、核燃料加工は同130%増、化学原料と化学製品の製造は同65.9%増、非金属鉱物製品の製造は同20.5%増、黒色金属の精錬やプレス加工は同2100.1%増、有色金属の精錬やプレス加工は同120%増、汎用設備の製造は同23.3%増、専用設備の製造は同19.8%増、自動車製造は同19.2%増、電気機材・機械の製造は0.9%増、コンピュータと通信およびその他の電子設備の製造は同20.5%増だった。

■参考資料:2017年1~2月の中国の工業利益統計データ(中国語、出典:中国国家統計局)