中国国家統計局は2017年3月19日にメイン業務の年間売上高が2000万元(約3億2000万円)以上の工業企業の売上高成長率を公開した。発表されたデータによると、2017年1~2月の成長率が対前年同期比で6.3%増となっており、2016年3月以来の6%増を続けた。

中国の一定規模以上企業の売上高の成長率推移図(出典:中国国家統計局)
中国の一定規模以上企業の売上高の成長率推移図(出典:中国国家統計局)
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 分野別からみると、鉱業は3.6%減、製造業は6.9%増、電力やガス、熱供給などのエネルギー業は8.4%増だった。製造業における成長は、主に次の三つの理由があったと考えられる。まず第1の理由は、輸出の成長。該当期間内の輸出高は対前年同期比で8.8%増だった。特に、自動車とエレクトロニクス産業の輸出高はそれぞれ18.1%増、11.1%増と2桁成長となった。

 第2の理由は、業界全体の景気が数値上で好転したことにある。統計した41の分類の中に、2016年1~2月と比べて増加、あるいは減少の幅を改善した業界は31あり、全体の75.6%を占めている。たとえば、自動車製造業が17.0%増、電気機材が7.5%増、電力やガス、熱供給が8.7%増となった。

 第3の理由は、設備製造業とハイテク産業の後押しが顕著であったこと。設備製造業全般が11.9%増となり、個別にみると、汎用設備製造業が10.6%増、専用設備製造業が11.5%増、通信やコンピューターなどのその他の電子設備製造業が14.1%増だった。また、ハイテク産業は12.6%増だった。設備製造業とハイテク産業の成長率は、工業企業全体の数値をそれぞれ5.6と6.3ポイント上回った。

■参考資料:2017年1~2月の中国工業生産の成長率データ(出典:中国国家統計局、図中の「増長速度」は、価格の影響を除いた成長率である)