中国国家統計局が3月9日に発表した2月の生産者物価指数(Producer Price Index, PPI)は、対前年同期比7.8%増と、1月の6.9%増よりさらに増加した(図1)。中国のPPIは、2016年2月以来ずっと上昇傾向にあり、今回の数値は2008年9月以来の最高値となっている。PPIとは、工業製品の出荷価格の変動状況を測定する指数で、製造業景気を反映する重要な経済指標である。一般的に、PPIがプラスになれば、生産が活発している、マイナスになれば生産が萎縮しているとよく言われている。また、中国のPPIは4000種以上(規格品9500品目を含む)製品と136項目を調査対象としており、39の分野をカバーしている。

図1 2017年2月の中国の生産者物価指数
図1 2017年2月の中国の生産者物価指数
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 しかし、今回のPPI増加は生産が活発になってきたと簡単に喜べるような状況ではなさそうだ。同時公開の生産者購入価格指数を見ると、2月は対前年同期比が9.9%増となっている(図2)。企業にとっては、製品の出荷価格の上昇が、原材料の購入価格の上昇に追い付いていない状況になっているのだ。

図2 2017年2月の中国の生産者購入指数
図2 2017年2月の中国の生産者購入指数
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