中国国務院は、2016~2020年までの交通・運輸の社会インフラ5カ年計画「[十三五]現代的な総合交通運輸インフラの発展計画」を2017年2月28日に公開した。十三五は、2016~2020年の中国の経済・社会運営方針となる「第13次5カ年計画」のこと。
この計画では、2020年までに(1)高速鉄道が人口100万人以上の都市の80%をカバーする、(2)鉄道や高速道路、空港が人口20万人以上の都市をほぼカバーする、(3)都市鉄道は2015年に比べて倍増の6000kmを達成する、(4)石油・天然ガスのパイプラインは2015年比の47%増の16.5万kmを達成する、などが挙げられている。
中国「十三五」交通・運輸インフラの目標(データ出典:中国国務院)交通・運輸インフラ | 2015年 | 2020年 | 増加率(%) |
---|---|---|---|
鉄道(万km) | 12.1 | 15.0 | 24 |
高速鉄道(万km) | 1.9 | 3.0 | 58 |
鉄道複線化率(%) | 53 | 60 | 13 |
鉄道電気化率(%) | 61 | 70 | 15 |
舗装道路(万km) | 458 | 500 | 9 |
高速道路(万km) | 12.4 | 15.0 | 21 |
河川舟運(万km) | 1.36 | 1.71 | 26 |
万トン級以上の港の艇置場数 | 2207 | 2527 | 14 |
空港数(民用、軍用含む) | 300 | 500 | 67 |
都市鉄道(km) | 3300 | 6000 | 82 |
石油・天然ガスパイプライン(万km) | 11.2 | 16.5 | 47 |
具体的には、既存の道路・鉄道に加えて、「十縦十横」という東西南北の道路や鉄道の幹線を増やす。北方では、内モンゴルや東北三省からロシアやモンゴルにつながる複数の道路や鉄道を作る。西方では、新疆のウルムチ市やカシュガル市を中央アジアや西アジアへの拠点とする。南方では、雲南省の昆明市や広西省の桂林市を交通の中心とし、東南アジア、南アジアに広げていく。
上記の計画を実現するために、政策面の規制緩和やサポートのほかに、運営会社の法人化、市場化も推進して競争を促す。さらに、資金面では、アジアインフラ投資銀行(AIIB、Asian Infrastructure Investment Bank)の資金導入や民間資本の活用も明言している。
詳細は[十三五]現代的な総合交通運輸インフラの発展計画(中国語))を参照。