中国は、電池の「生産大国」から「技術強国」へ転換しようとしている。そのために、2017年2月8日に中国化学と物理電源産業協会が2016~2020年までの「電池産業5カ年計画」を公表した。

 この計画では、(1)2020年までに電池製品の生産高を4000~5000億元(約6兆4000億円~8兆円)に向上させ、年間平均成長率を10~20%にする、(2)鉛蓄電池の成長率を10~20%、リチウムイオン電池は20~30%にする、(3)電池の輸出額は年間平均で10~15%増加させ、その中でリチウムイオン電池の比例は55%にする、といった目標を定めている。また、年間売上高が500億元(約8000億円)を超える企業を五つまで育てるとも計画している。

■主要電池製品の「十三五計画」生産目標(単位:億個)

品種 2014年 2020年 年間平均成長率(%)
ニッケル・カドミウム蓄電池 3.1 1.65 -10
ニッケル金属水素化物電池 7 4.24 -8
リチウムイオン電池 36 107.5 20
鉛蓄電池 20400 36140 10
マンガン乾電池 184 153 -3
アルカリ電池 138 244 10
リチウム一次電池 27 80 20
フローバッテリー 5 57 50


■主要電池製品の「十三五計画」売上高目標(単位:億元、1元約16円)

品種 2014年 2020年 年間平均成長率(%)
ニッケル・カドミウム蓄電池 16.4 9.9 -8
ニッケル金属水素化物電池 41.8 28.8 -6
リチウムイオン電池 715 2135 20
鉛蓄電池 1290 2285 10
マンガン乾電池 81 71.6 -2
アルカリ電池 115 163 6
リチウム一次電池 22.2 39.3 10
合計 2281.4 4732.6 -

 計画の中では、(1)鉛蓄電池、(2)リチウムイオン電池、(3)ニッケル水素電池、(4)リチウム一次電池、(5)アルカリ電池、(6)燃料電池、(7)宇宙用特殊電池、(8)電気二重層コンデンサー(スーパーキャパシター)、(9)電池の先端製造設備、(10)電池の回収と再利用など、10分野に分けてそれぞれの数値目標と重点的に進めるプロジェクトを定めている。