中国ではこの1、2年で、電気自動車(EV)製造に乗り出す新規参入企業が相次ぎ登場した。「楽視」、「蔚來」、「小鵬」、「前途」、「車和家」、「雲度」、「奇点」、「電珈」、「遊侠」、「鳳翔」、「凌雲」、「威馬」と計12社もある。上記のうち、最初の8社は2017年内にもEVを量産すると発表している。また、「凌雲」は年内にテスト車の試運転と、2018~19年に量産すると発表した。「威馬」は2018年にEVを生産することを目指す。

 これらの企業の大きな特徴としては、もともとインターネット事業に関与していることが挙げられる。業務の推進スピードが速いという同事業での特徴を生かして、米国など海外メーカーとの共同開発や、最初の車種を海外で製造すると掲げている企業もある。しかも、販売手法としてはインターネットを活用するといった従来の自動車メーカーにはなかった特徴を持っている。このため、これらの企業は「インタ-ネット車づくり」とも呼ばれている。

「楽視」は3月に販売の予約開始

 上記の12社のうち、「楽視」はもっとも動きの早い1社。2016年末に浙江省徳清県に約1.3km2の一期目工場用土地を獲得しており、110億元(約1760億円)を投じて一期目工場を建設する。2018年に量産を開始するとしている。

楽視の「FF91」
楽視の「FF91」
[画像のクリックで拡大表示]

 2017年3月に販売開始のEVは、アメリカで製造する「FF91」。2018年に納車する。FF91に搭載するモーターの最大出力は783kW、最大トルクは1800N・m。航続距離は700km。また、2018~19年に軽量化とした「LeSEE Pro」も発売する予定となっている。また、製造・販売も中国初のUP2U(User Planning to User)方式を導入するため、購入者がクルマのデザイン段階から、製造の全工程まで体験できる。