中国工業と情報化部は2017年2月4日に新エネルギー車に関して、不正行為があったと認定された7社の企業名を公表した。日産と東風の合弁会社である「鄭州日産汽車」の名前があった。2016年12月以降に不正があったと公表された計11社の中で初めての外資系企業であり、日系企業だった。日産は「鄭州日産」の28.651%の株式を保有する。

中国工業と情報化部が公開した処分文書
中国工業と情報化部が公開した処分文書
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 摘発されたのは、「鄭州日産」が2015年度に補助金を申請した「ZN5034XGCH2YBEV型純電動作業車」、「ZN5033XGCH2YBEV型純電動作業車」と「ZN6494H2YBEV型純電動SUV」のうち計88台。モーターが事前に届けた製品と異なっていた。さらにその中の20台については電池の生産企業も申請と異なる不正を行っていた。

摘発された「ZN5033XGCH2YBEV型純電動作業車」と同じ種類の車
摘発された「ZN5033XGCH2YBEV型純電動作業車」と同じ種類の車
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摘発された「ZN6494H2YBEV型純電動SUV」と同じ種類の車
摘発された「ZN6494H2YBEV型純電動SUV」と同じ種類の車
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 罰則は次の3つが適用される。(1)上記三種類のEV車の販売資格を抹消、(2)新エネルギー車の届け資格を一時停止、(3)2カ月以内に指摘された問題を改善し、新たな審査を受ける。実は、同社が生産した「ZN6440V1Y純電動SUV」は2016年8月に販売停止処分を受けたばかりだった。

 中国政府は大気汚染対策の一つとして、新エネルギー車の普及に注力しており、中央政府と地方政府が高額の奨励金を企業に拠出している。奨励金を目当てにした不正を目論んだ企業が多数あり、中国政府が2016年6月から調査を始めていた。不正金額の総額は現在分かっているものだけで100億元(約1600億円)にも上る。このため中国政府は今回、不正企業の社名と罰則の公表に踏み切った。