2016年の世界スマ―トフォン出荷台数は13億6000万台、成長率が4.7%だと、台湾の市場調査会社「集邦諮詢(TrendForce)」が発表した。市場シェアでは、韓国サムソン電子が22.8%で依然世界一だったが、「Galaxy Note7」の発火事故の影響を受けて、2015年と比べて約2ポイントのシェアを失った。二位は米アップル社、市場シェアは15.3%だった。三位から五位は、中国のファーウェイ(華為技術、Huawei Technologies)、OPPO (広東欧珀移動通信、OPPO Mobile Telecommunications)、vivo(維沃移動通信、Vivo Mobile Communications)である。六位は韓国LG電子。七位~十位も中国のメーカーが占めた。

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サムソンとアップル、シェア順位を守ったが出荷台数が減少

 サムソンの市場シェアが下がっている。2014年には28%だったが、2015年は25%、2016年は22.8%になった。2017年も微減の22.6%と予測されている。シェア低下の原因は、「Galaxy Note7」の発火事故によるリコールや販売・使用中止、生産中止の影響のほかに、ローエンドからハイエンドまでの全機種で中国メーカーに攻められたためである。2016年の出荷台数は、3億1000万台で3.3%の減少だった。

 アップル社は、15.3%と市場シェアの二位をキープしたが、三位のファーウェイとの差は5.7ポイントに縮まった。2016年に投入したiPhone7とiPhone7 Plusは目新しい機能がなく、市場の反応は今一だった。2016年の出荷台数は2億900万台で、-11.5%と2桁の大幅減少だった。2017年はiPhoneの発売十周年に当たるため、市場がiPhone8の投入を期待しているが、集邦諮詢は、出荷台数が数%増程度で、市場シェアが0.3%ポイントしか伸びないと厳しく見ている。

中国勢は存在感を増す