スズキが2017年12月14日に発売した軽自動車の新型「スペーシア」は、ボディー骨格への高張力鋼板の使用比率を増やして質量の増加を抑えた(図1)。

新型「スペーシア」
図1 新型「スペーシア」
[画像のクリックで拡大表示]

 新型車は先代車に比べて全高を50mm高くしたことなどで、ボディー骨格は先代車よりひと回り大きくなった。先代車と同じ高張力鋼板の使い方では、10kg以上ボディー骨格の質量が重くなってしまう。ボディー骨格の質量増加は、燃費を悪化させる要因になる。そこで新型車では、高張力鋼板の使用比率(質量比、以下同じ)を先代車の41%から46%に高めた。

 スズキは、引っ張り強さが440MPa級以上の鋼板を高張力鋼板と定義する。新型車ではボディー骨格全体の16%に超高張力鋼板(1.2GPa級と980MPa級)を、30%に高張力鋼板(440MPa級、590MPa級、780MPa級)を使った。