図1◎新型プリウスのトランスアクスルとモーター
図1◎新型プリウスのトランスアクスルとモーター
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図2◎線占率に優れるセグメント巻き線
図2◎線占率に優れるセグメント巻き線
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 トヨタ自動車は、2015年10月13日に日本で発表した4代目となる新型「プリウス」の電気式無段変速機(トランスアクスル)と駆動用モーター(以下、モーター)の技術の詳細を明らかにした(図1)。セグメントをまたぐ部品の共通化を踏まえた設計思想(モジュラー設計)「トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー(TNGA)」に対応した部品。同じくTNGA対応の新しいプラットフォームに搭載するために小型化した。併せて、トランスアクスルとモーターを併せた損失を、従来に比べて約20%低減させている。

 トランスアクスルでは、従来は遊星歯車機構を使って1つの軸(同軸)に配置していたモーターと発電機を、2つの軸に分ける複軸配置に切り替えた。伝達要素を遊星歯車機構から平行軸ギアに替え、上方の軸にモーターを、下方の軸に発電機を配して、その分、軸の長さを縮めた。その結果、新しいトランスアクスルの全長は362mmと、従来の409mmよりも47mmも短くなった。

 遊星歯車機構から平行軸ギアに替えることで、部品点数も約8割減ってシンプルな構造となった。これも小型・軽量化に貢献している。こうしたトランスアクスルの小型・軽量化により、機械損失を約20%低減することができた。