日産自動車は2017年9月6日、2代目となる電気自動車(EV)の新型「リーフ」を発表した(関連記事:リーフ、記事一覧)。リチウムイオン電池の容量を増やすことで、1充電で400km走れるようにしたのが特徴だ。続々と他社の参入が進むEV市場の中で、日産の将来を担う“勝負車”。製品開発担当の副社長、坂本秀行氏に開発の要点と今後の展望を聞いた。

日産自動車副社長の坂本秀行氏
日産自動車副社長の坂本秀行氏
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新型リーフはどのようなクルマか。

 日産の中期経営計画上のトッププライオリティ(最優先)となる車両だ。Carlos Ghosn会長や西川廣人社長から言及され続けてきた。

 (機能面では)高速道路の単一車線走行を支援する「プロパイロット」や駐車支援システム「プロパイロット パーキング」など、EVと組み合わせやすい機能を追加することで、走行時の利便性や快適性を向上させている。

 さらに、まだ詳細は話せないが、2018年中にモーターの出力や航続可能距離を“驚くほど”高めた「ハイパワー版」を発売する計画だ。プレミアム(高付加価値)のEVとして投入する。

ガソリン車と比べてEVの開発は難しいのか。

 EVの方が難しいと考える。理由は二つ。まず、安全性を向上させるために車両の構造が大きく変わる点だ。特に電池を守るための設計が重要となる。そしてソフトウエアも難しい。駆動系の制御や自動運転系との連携など、やるべきことが多い。

開発期間は変わったのか。

 今回は新技術を積極的に搭載して多くの工数をかけた。先代モデルが出てすぐに次期型モデルの開発を始めたので、開発期間は(先代から)あまり変わっていない。

新型「リーフ」、斜め前から
新型「リーフ」、斜め前から
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充電器を接続した状態
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