日産自動車が2017年9月6日に発表した新型の電気自動車(EV)「リーフ」は、電池パックのエネルギー密度を高めることで、1回の充電当たりの航続距離(JC08モード)を従来の約4割増の400kmまで延ばした。使用する電池はリチウムイオン電池。電池パックの大きさは従来と同等としながら、同容量を従来の30kWhから40kWhへと増加させた(図)。

図 新型リーフの電池パック
図 新型リーフの電池パック
ラミネート型のリチウムイオン電池セルを採用したもので、24個のモジュール(192セル)で構成される。正極は3元系、負極はカーボン、電池容量は40kWh。
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 電池パックとしてのエネルギー密度の向上が可能となったのは、電池セルのエネルギー密度の向上と、電池パックとしての部品点数の削減を進めたためだ。例えばセルでは電池材料を見直し、ラミネート型セルに充填する電池材料の量を増やした。

 電池材料については詳細を明かさないが、正極にはニッケル-マンガン-コバルト酸リチウム系(3元系)、負極にはカーボンを使う。セルの厚みは従来と比べて0.9mm厚くなっており、その分だけ充填量を増やした模様だ。セルのエネルギー密度は240Wh/kg程度と見られる。