トヨタ自動車は2017年7月10日に発売した中型セダンの新型「カムリ」のサイドエアバッグに、豊田合成と共同で開発した3バッグ構造の新型を採用した(図1、2)。従来品では、乗員の胸を保護するバッグと腰を保護するバッグの2バッグ構造としていた。新型では、肩および胸後用バッグ、腰用バッグ、胸前用バッグの3個のバッグ構造に変更。事故時の乗員の保護性を向上している。

図1 トヨタ自動車の中型セダン「カムリ」
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 サイドエアバッグは、事故時に乗員の体がドアやサイドウインドーに衝突しないように保護する機能を持つ。座席の窓側面すべてに搭載しているため、カムリでは新型を4個備えていることになる。

図1 トヨタ自動車の中型セダン「カムリ」
図1 トヨタ自動車の中型セダン「カムリ」
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 3バッグ構造にすることで、各バッグに流入させるガス量を制御しやすくなる。肩および胸後用のバッグと腰用バッグが開いた後、胸前用のバッグが低い内圧で開くように設計した。従来品に比べて、乗員の胸部への負荷を減らすことができるという。インフレーターで生成するガスが各バッグに流れやすくすることで、バッグの展開速度を速めることにも成功した。

図2 カムリに搭載する豊田合成の新型サイドエアバッグ
図2 カムリに搭載する豊田合成の新型サイドエアバッグ
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