トヨタ自動車は、2016年冬に発売を予定する次期プラグインハイブリッド車(PHEV)「プリウスPHV」の報道陣向けの試乗会を開催した(図1)。先代のプリウスPHVがハイブリッド車「プリウス」との違いがあいまいだったことの反省から、4代目プリウスとの違いを実感できるクルマに仕上げてきたことが最大の特徴だ。

テストコースを走るトヨタ自動車の次期PHEV「プリウスPHV」
図1 テストコースを走るトヨタ自動車の次期PHEV「プリウスPHV」
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 次期プリウスPHVは、プリウスと共通のプラットフォームを使用している点はさまざまな報道で伝えられている通り。しかも、ほとんどの部品を共用している。にもかかわらず、デザインも走りも4代目プリウスと一線を画する。中でもその差を大きく感じさせるのが、EV走行の適用範囲の広さと加速感だ。

 同車に試乗した本誌記者によれば、発進時はアクセルを最大限に踏んでもエンジンはかからずモーターだけで走行(EV走行)可能。さらに、加速時も80~90km/hぐらいまではアクセルをある程度踏み込んでもEV走行が続くという。トヨタ自動車の技術者も「電池の残量や要求パワーにもよるが、90%くらいアクセルペダルを踏み込まないとエンジンはまずかからない」と説明する。「1日の活用シーンのうち80%以上をEV走行でカバーできる」(プリウスPHVのチーフエンジニアの豊島浩二氏)という同社の見解は検証できていないが、それを否定できる要素は今回の試乗会では見当たらなかった。