トヨタ自動車が2017年3月16日に発表した新型クーペ「LC」は、従来材料を使用した場合に比べて車体を100kg軽量化した。590MPa級以上の高張力鋼板とアルミニウム(Al)合金を合わせた使用量は、車体全体の半分程度(質量比)としている(図1)。

レクサスLCの車体
レクサスLCの車体
[画像のクリックで拡大表示]

 例えば、レクサスとして初めてフロントのサスペンションタワーにAl合金製の鋳物を適用した(図2)。その利点は、リブを立てて剛性を高めつつ軽くできる点で、左右合わせて約10kgの軽量化を図った。同タワーをブレースと呼ばれる棒状の部材で車体骨格とつなぐことで同タワーへの入力を分散し、車体のねじれの変曲点を最小化し、ねじり特性をリニアにした。リニアなねじり特性によって運転者は車両の挙動を予測しやすくなり、先読みしながらアクセルを踏むことを可能にしたという。

サスペンションタワーとブレース
サスペンションタワーとブレース
[画像のクリックで拡大表示]