ホンダの新型燃料電池車(FCV)「クラリティフューエルセル」に採用した燃料電池セルは、反応効率を高めることで出力密度を50%向上し、体積を20%削減した(図1、関連記事)。従来は化学反応で生成した水が水素や空気の流れる通路を塞ぐことがあった。今回、生成する水をセル内で循環させることで通路の詰まりを抑え、反応効率を高めた。

図1 ホンダ「クラリティフューエルセル」に採用したFCセルの外観
図1 ホンダ「クラリティフューエルセル」に採用したFCセルの外観
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 セルは、水素を通す「水素極」と、空気中の酸素と水素が反応する「空気極」、両極の間にある「電解質」で構成する(図2)。水素極の水素が電解質を通過し空気極の酸素と化学反応することで発電する。

図2 セルの構成図。セルは中央の「電解質」と、その両側の「水素極」「空気極」で構成する。水素極側から水素イオンが電解質を通って空気極側へ移り、酸素と反応して発電するとともに水を生成する。
図2 セルの構成図。セルは中央の「電解質」と、その両側の「水素極」「空気極」で構成する。水素極側から水素イオンが電解質を通って空気極側へ移り、酸素と反応して発電するとともに水を生成する。
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