ドイツAudi社は2016年2月8日、8年ぶりに全面刷新した中型セダン「A4」を日本で発売すると発表した(図1~4)。新しい燃焼方式を採用したエンジンや車両質量の120kgに及ぶ大幅な軽量化、空力性能の改善により、先代車から燃費を最大33%改善した。販売価格は518万円(税込)からで、同年2月19日に発売する予定。

図1 ドイツAudi社が発表した新型「A4」のフロントビュー
図1 ドイツAudi社が発表した新型「A4」のフロントビュー
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 前輪駆動車の「A4 2.0 TFSI」とそのスポーツモデル「同sport」、四輪駆動車の「同quattro」とそのスポーツモデル「同quattro sport」の4モデルを用意した。前輪駆動車の燃費性能はJC08モードで従来比33%改善の18.4km/Lを達成した。四輪駆動車の燃費性能はJC08モードで従来比14%改善の15.5km/Lである。

 A4に採用したガソリンエンジン「2.0 TFSI」は2種類あり、前輪駆動車と四輪駆動車で使い分ける。排気量はどちらも2.0L。前輪駆動車のエンジンでは同社として初めて「ミラーサイクル」方式を採用した。低中負荷領域で吸気工程を短縮することで、圧縮比を11.8にした。最高出力は140kWで、最大トルクは320N・m。四輪駆動車のエンジンは最高出力が185kWで、最大トルクが370N・mである。同社は今後、ミラーサイクル方式のエンジンを順次展開していく予定だ。

 車体には複合材料を採用し、先代車と比べて欧州仕様で最大120kg軽量化した。クロスメンバーといった車両骨格や、サスペンション部品にアルミニウム合金材を多く使用することで車体質量を低減した。シート材料も見直し、フロントシートに高強度鋼材を、リアシートにマグネシウムや軽量のワイヤーフレームを使用することで前後シート合わせて9kg軽くした。

 車体の空力性能も工夫して、空気抵抗係数(Cd値)をクラス最高の0.23(欧州仕様値)を達成した。先代車のCd値は0.26だった。空気抵抗を減らすためにエンジンルームの下をカバーで覆ったり、乗員空間や荷室下の車体底を平らにしたりした。加えて、サイドミラーの内側に突起を付けることで、空気の流れをスムーズにしたという。