スズキは新型「ワゴンR」で、軽自動車に初めてヘッド・アップ・ディスプレー(HUD)を採用した(図1)。搭載したのはパナソニック製のHUDである(関連記事:新型ワゴンR、軽自動車で初のHUD搭載 パナソニック製を採用)。軽自動車に搭載できるように、スズキとパナソニックが共同で、HUDの機構の小型化とコスト削減を徹底した。

図1 新型「ワゴンR」と搭載したヘッド・アップ・ディスプレー(HUD)
図1 新型「ワゴンR」と搭載したヘッド・アップ・ディスプレー(HUD)
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 HUDとは、運転者の視界の前方に情報が浮かんでいるように見せる車載機器である。ワゴンRが搭載したHUDは、運転者の目線から数m先に見えるように運転情報を表示する。「HUDの表示はシンプルに」(同社)との設計方針を掲げるスズキは、(1)速度、(2)シフト、(3)進行案内、(4)警告表示、(5)運転支援機能の作動灯――などを映せるようにした。このうち運転中に常に表示するのは、速度とシフトの情報のみに限定した。

 軽自動車にHUDを搭載させるときの課題は、インストルメントパネル(インパネ)内にHUDの搭載空間を確保することだという。HUDは、光源からの映像を鏡で数回反射させてることで拡大し、情報を映し出す(関連記事:運転者が直感的に理解できる、HMIの表示システムに進化)。映像を反射して拡大させるための大きな空間が、インパネ内部に必要となる。