30GHz~300GHzという非常に高い周波数帯を指す。波長が10mm以下になることからこの名前で呼ばれる。直進性が強く、障害物に対して回り込まないなど光に近い電波特性があるため、これまであまり移動通信には用いられることはなかった。しかし、第5世代移動通信システム(5G)において活用が期待されている。
現在国内の移動通信に割り当てられている周波数帯は700M~2.5GHzである。このうち、700M~900MHz帯が移動通信のエリア展開に使い勝手が良いため、“プラチナバンド”と呼ばれている。ただし、プラチナバンド周辺の帯域は放送など移動通信以外のアプリケーションでもニーズが高いため逼迫しており、移動通信で利用可能な周波数としては比較的高い周波数帯が割り当てられるようになってきている。2014年末に割り当てが決定した3.5GHz帯を利用した携帯通信は2016年に開始予定である。ただし、この先、6GHz以下の周波数では、移動通信用に割り当て可能な連続した帯域がないのが現状である。
一方、ミリ波においては、現在あまり利用が進んでいない未使用の周波数帯域があり、新たに1G~2GHzの帯域幅を5G向けに利用することが可能となる。この非常に広い帯域幅と革新的なビームフォーミング技術を組み合わせることによって、5Gの要件の1つであるピークレートで10Gビット/秒、セル端で100Mビット/秒のスループットの実現が期待されている。