3本バスバー電極構造(京セラの資料)
3本バスバー電極構造(京セラの資料)
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訴訟が相次ぐ可能性も

 対するハンファQセルズジャパンは7月18日、京セラから訴状を受け取ったことを明らかにし、その内容に関するコメントを発表した(関連記事5)。ハンファQセルズジャパンによれば、訴訟の対象は(ハンファグループ企業の)ハンファソーラーワン社が過去に製造していた製品の一部のみであり、何らの差し止め請求もされていないという。また、3本バスバーは「京セラの特許出願に先立って、遅くとも1990年代には研究論文等により公表されていた公知の技術であり、京セラの主張は一方的」(ハンファQセルズジャパン)としている。

 京セラは、3本バスバー特許をめぐってハンファQセルズジャパン以外の太陽電池モジュールメーカーとも同様の交渉を進めているという。このため、他のメーカーが新たに訴訟の対象となる可能性がある。京セラは交渉の状況次第では、太陽電池モジュールメーカー、さらにはそのモジュールを取り扱う販売店や発電事業者に対しても、損害賠償や差止めを求める訴訟提起を検討するという。

 3本バスバー特許は2012年の成立時、既に広く採用が進んだ技術にかかわるものだっただけに、業界に大きな衝撃を与えた。成立当初から、価格攻勢で勢いを増すアジアの太陽電池メーカーに対する対抗手段となるかどうかが、注目を集めてきた。