65歳以上の人口が,総人口に占める割合。日本では今,世界に先駆けて急速に高齢化率が上昇している。近い将来,アジア諸国を中心とした世界各国でも,高齢化率の急上昇が見込まれている。

 日本の高齢化率は,1970年に7. 1%,1980年代前半でも10%に満たなかった。しかし,その後急速に高齢化が進み,2000年に17.2%となった。今後も上昇ペースは衰えず,2020年ごろには30%に迫り,2050年ごろには40%に近づく。

 今後は,東京などの都市圏で高齢者の人口が大きく増加すると見込まれている。高度経済成長期に地方から都市圏に移動した,戦後生まれの世代が高齢化を迎えることが背景にある。

 2012年以降は,団塊の世代が65歳に到達する。「社会に大きな影響を及ぼす世代」と評される同世代の高齢化により,さまざまな産業にとって今後,高齢者を意識した取り組みがますます重要になってくる。

 一方,世界でも高齢化が進もうとしている。2020年ごろには韓国やシンガポールの高齢化率の上昇ペースが極めて速くなる。2030年ごろには,中国やインドといった多人口国の高齢化率が10~20%に達する。

 世界が高齢化社会を迎えるに当たり,その“先進国”とも言える日本の取り組みには,大きな注目が集まりつつある。このため,高齢者向けの製品やサービスの分野は,日本が世界を先導できる成長市場としての期待が高まっている。

世界各国の高齢化率の比較(東京大学の資料を基に本誌が作成)
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