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化合物系太陽電池とは

カゴウブツケイタイヨウデンチ

2013/10/23 00:00
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国内唯一のCIGS太陽電池メーカーである、ホンダソルテック製のパネルを設置した阪神甲子園球場(出所:ホンダソルテック)
国内唯一のCIGS太陽電池メーカーである、ホンダソルテック製のパネルを設置した阪神甲子園球場(出所:ホンダソルテック)
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 発電素子(セル)の半導体材料にシリコンではなく、複数の物質を使うタイプの太陽電池。ガラスや金属などの基板に、蒸着などによる薄膜プロセスで半導体を形成することから、低コスト化に向く。国内外で実用化されている主な化合物系太陽電池として、銅(Cu)、インジウム(In)、セレン(Se)を原料とするCIS太陽電池、これにガリウム(Ga)を加えたCIGS太陽電池、テルル化カドミウム(CdTe)を使ったカドミウムテルル(CaTe)太陽電池などが代表的である。

 国内では、ソーラーフロンティア(東京都港区)がCIS太陽電池、ホンダソルテック(熊本県大津町)がCIGS太陽電池を実用化している。また、米ファーストソーラー社はカドミウムテルル太陽電池を実用化している。複数の半導体材料を使う化合物系半導体は、シリコンに比べて電気に変換できる光の波長が広いために理論的な変換効率が高く、技術開発による効率向上の余地が大きい。

 実際に、化合物半導体の変換効率は、当初、結晶シリコン太陽電池に比べ大幅に低かったが、徐々に向上して、結晶シリコン太陽電池に近づきつつある。また、結晶シリコン太陽電池は、温度が上がるにつれて、発電ロスが増える特性があるが、化合物系太陽電池は温度上昇によるロスが小さい。

 また、影に対して強いという利点もある。従来の結晶シリコン太陽電池は、発電素子が直列に配置されており、影などによって、一つでも発電しない素子があると、全体の出力が減少してしまう課題がある。化合物系太陽電池は、影の影響は受けるものの、出力が減少するのは、影が被っている部分だけで済む。

 カドミウムテルル太陽電池は、量産されている化合物系太陽電池において、現状で最も変換効率が高いものの、有害物質であるカドミウムを原料に使うため、使用後などの環境汚染への懸念から、大量に導入されている国が限定されているのが実態である。

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