発電設備の利用効率を示す指標には、「設備利用率」と「稼働率」の2つが主に使われる。「設備利用率」が定格出力でフル操業した場合の発電量を100%として実際に発電した量の割合を示すのに対し、「稼働率」は出力の多寡にかかわらず、発電していた時間の割合を示す。風車であれば、ブレード(羽根)が回っている時間の割合、太陽光発電では夕方や曇りで日射が弱くても、わずかでも出力していれば「稼働」になる。

 事業的には、設備利用率の方が資産効率を直接、示している。ただ、日射が弱くても発電したり、風が弱くても発電したりする、稼働率を高める技術の向上は、ほとんどの場合、設備利用率にもプラスに効くことになる。また、自治体が公園などに設置する風車の場合、ブレードが止まっている時間を減らしたいというニーズも強く、低風速でも回転して発電するタイプの風力発電設備が求められる。

 メガソーラーの稼働率を下げる要因として見逃せないのが、パワーコンディショナ―(PCS)が何らかの異常を検知して、自動停止した場合だ。例えば、メガソーラーの設備に異常がなくても、連系している電力系統網が落雷などで瞬停(極めて短時間の停電)すると自動停止することが多い。その場合、一刻も早く再稼働させないと、その間、停止したままになり、稼働率の低下につながる。

洋上風力発電は、地上設置に比べ稼働率が高くなる利点がある
洋上風力発電は、地上設置に比べ稼働率が高くなる利点がある
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