設備設置後にその運用(Operation)と保守(Maintenance)を請け負う契約のこと。日々の運営業務から定期検査や保守のすべてを丸投げしてしまう運営・保守委託契約から、定期検査と保守だけの契約、24時間の遠隔監視の契約など、さまざまなパターンがある。メガソーラー(大規模太陽光発電所)事業には、土地の有効活用や投資目的などから、発電設備の知識に乏しい企業も参入しているため、建設後の運用・保守を専門知識のある企業に委託するケースが多い。メガソーラーのO&Mの役割は2つある。日常的に無人で稼働するため、遠隔監視で発電量を監視しつつ、異常を検知した場合に現場に駆けつけて対応する緊急的な業務と、発電量の変化を長期的に分析して、定期点検時などに対応する長期的な業務だ。長期的な運用には、草取りやパネルの極端な汚れの除去なども含まれる。また、パワーコンディショナ―(PCS)は、メーカー独自の高度な制御技術などを含むため、PCSメーカーがO&M業者や発電事業者と直接、保守契約を結ぶことが多い。メガソーラーでは、電気主任技術者との契約が義務付けられているが、電気主任技術者は主として系統連系時の安全確保などが役割になる。発電量を最大化して事業性を維持するうえでは、太陽光発電システムの運用・保守ノウハウを持った企業とのO&M契約も必要になる。

日本のメガソーラーでは背丈の高い雑草の定期的な除去も必要になる(出所:日経BP)
日本のメガソーラーでは背丈の高い雑草の定期的な除去も必要になる(出所:日経BP)
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