内部収益率(Internal Rate of Return)の略語で、投資に対する事業収益率を示す指標として使われる。同じ金額を投じた事業の場合、事業による収益額が多く、収益の回収が早いほどIRRの数値は高くなる。

 経済産業省が設定した、メガソーラー(大規模太陽光発電所)で発電された電力の固定買取価格は、建設費や維持費に適正な利潤を乗せて決定されたとされ、リスクを考慮したIRRが示されている。

 メガソーラー事業では、従来の火力発電、水力発電、原子力発電などによる大規模発電ビジネスに比べて、IRRにおける初期投資の重要性が高いという特徴がある。燃料費は不要で、メンテナンスも相対的に簡便だからである。

 メガソーラー事業で確保できる目安となる標準的なIRR値は7~8%とされるが、これは、法人税などが課される前の税引前IRRを指すことが多く、実際に事業を成立させるには、税引前IRR が10%以上となることが望ましいとされる。

図●ドイツにおけるメガソーラーの新規導入量とIRRの関係(出所:環境省)
図●ドイツにおけるメガソーラーの新規導入量とIRRの関係(出所:環境省)
[画像のクリックで拡大表示]