固定価格買取制度(FIT)を使って電気を売るためには、国から設備認定を受けることと併行して、電力会社と協議を進め、「特定契約・接続契約」を結ぶ必要がある。これらの契約は電力会社の送電線(電力系統)と接続して発電電力を売電するための契約で、固定価格買取制度が施行する前から、風力発電の売電などに際し、発電事業者と電力会社が結んできた。固定価格買取制度は、再生可能エネルギーによる発電設備と電力会社の送電線を接続し、固定価格で買い取ることを、電力会社に対して義務付けるものだが、「電気事業者の利益を不当に害する恐れがある」場合、接続契約を拒否できるとの規定もある。「電力会社の不利益」の解釈によっては、再生可能エネルギー発電事業のリスクが高まることになる。そこで、経済産業省は、2012年9月に「モデル契約書」を公表した。現在は、このモデル契約書をベースに協議を進めることが多い。

固定価格買取制度による再生可能エネルギー発電事業の流れ(出所:経済産業省)
固定価格買取制度による再生可能エネルギー発電事業の流れ(出所:経済産業省)
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