本記事は経済産業大臣の諮問機関「総合資源エネルギー調査会電力システム改革専門委員会」が2013年2月に報告書を提出したのを受けて、2012年12月3日に公開した「【電力用語辞典】電力システム改革」の記事を大幅に書き換えたものとなります。

 2013年2月、経済産業大臣の諮問機関「総合資源エネルギー調査会電力システム改革専門委員会」が報告書を提出した。この報告書は、東日本大震災により日本の電力供給システムに課題があることを指摘し、それらを踏まえた今後の大規模な制度改革の骨格を表している。その大きな柱は、「小売全面自由化」「市場機能の活用」「送配電の広域化・中立化」である。付属の「改革の工程表」によると、これらは概ね以下のステップで進められる。

(1)第1段階:2015年目途
・広域系統運用機関の設立

(2)第2段階:2016年目途
・小売全面自由化(経過措置として規制料金も当面存続)
・新しい規制組織の設置
・卸電力市場の活性化(1時間前市場の創設)
・卸規制の撤廃
・供給力確保の新しい仕組みの創設(第3段階での本格稼働に向け、準備が出来次第開始)
  ・供給力確保義務
  ・容量市場の創設
  ・最終的な電源入札制度

(3)第3段階:2018~2020年目途
・送配電部門の法的分離
・リアルタイム市場の創設
・小売の料金規制撤廃