スマートメーターやスマートグリッドなど、「スマート○○」という用語がよく聞かれる。ここで使われる“スマート”とは、IT(情報通信技術)を駆使して、対象物を“賢く”することを指している。

 政府の革新的エネルギー・環境戦略(2012年9月14日,エネルギー・環境会議決定)の中には、“スマートな節電”という言葉がある。そこでは、「スマートメーターを設置してHEMS/BEMSの導入を進め、消費電力の見える化に加えて、ピーク時料金やポイント制を導入することで節電に対するインセンティブを与え、ネガワット取引を含む市場メカニズムを活用して“スマートな節電”(デマンドレスポンス)を全国に展開する」とされている。以下では、この「スマート節電」に関わる用語を個別に解説していく。

スマートメーター

 スマートメーターとは、双方向の通信機能を備えた電力量計である。従来の電力量計では、検針員が電力量を記録して電力会社のシステムに投入していたが、スマートメーターは通信機能を備えており、電力使用量を30分ごとに電力会社のシステムへ送信したり、電力会社側から需要家に対して需給状況に関する情報(例えば、ピーク料金や節電要請の発動など)を送信することができる。これらの電力使用量や需給状況に関する情報を家庭内のHEMSと組み合わせることで、節電・省エネや電気料金節約など、需給状況に応じた最適な電力消費パターンで家庭内の機器を制御することができるようになる。

スマートハウス

 スマートメーターに加えて、太陽光発電、燃料電池、蓄電池や電気自動車など、家庭内の創エネルギー機器、蓄エネルギー機器とエネルギー消費機器をHEMSで連携させ、快適さを損なわずに節電・省エネを達成することができる住宅を「スマートハウス」と呼ぶ。

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