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パワー半導体

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2011/11/01 10:19

インバータやコンバータといった電力変換器でスイッチングに用いるMOSFETやIGBT(絶縁ゲート型バイポーラ・トランジスタ),ダイオードを意味する。これを,現在主流のSi製素子ではなくGaNやSiCといった化合物半導体を利用した素子に変更しようとする動きが強まっている。Si製素子を使った電力変換器では望めない大幅な効率向上や小型化が見込めるからだ。

 効率が向上するのは,電力損失が少ないためである。例えば,従来と同じ回路構成で単にダイオードをSi製からSiC製に置き換えるだけで電力損失を 30%ほど,トランジスタも置き換えれば半分近く低減できる。損失が減少する分,発熱量が減るので,電力変換器を小型化できる。

 GaNやSiCは小型化に向く特性を,損失低減のほかにも備えている。まず,Si製素子の数倍の高速スイッチングが可能で,インダクタといった周辺部品のサイズが数分の1になるので,電力変換器内の回路を小型化できる。加えて,SiCやGaN製素子は,Si製素子では動作しない200℃を超える高温で動く。そのため,発熱量が同じなら電力変換器の冷却機構を小さくできる。

 GaNやSiCを使ったパワー半導体の実用化が近づいたことで,その特性を生かす新たな周辺技術の開発が急務になっている。例えば,高速動作を可能とする駆動回路の設計や,高いスイッチング周波数を前提とした電磁雑音対策などである。200℃を超える高温で動作させるなら,チップ実装向けに耐熱性が高く,かつ安価なはんだ材のほか,高温に耐えるパッケージ材料なども求められる。こうした周辺技術の進歩が,GaNやSiCのポテンシャルを引き出すカギを握りそうだ。

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