FPD用語辞典
目次
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インセル/オンセル
in-cell/on-cell
タッチ・パネルを液晶パネルの上に載せて使う従来方法に対して,タッチ・パネル機能を液晶パネルの中に一体化する方法の研究が盛んになっている。このタッチ・パネルと液晶パネルの一体化には,「インセル」と呼ばれる方法と,「オンセル」と呼ばれる方法がある。インセルは,タッチ・パネル機能を液晶の画素の中に組み込む…
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光学方式
optical scanning type
光学方式は,パソコンやデジタル・サイネージのような大画面でマルチタッチが実現可能な方式として,にわかに注目を集めている。透過率が非常に高いため,ディスプレイの鮮明な映像表示品質を損なわずに済む。また,専用ペンなどの特別なポインティング・デバイスを必要としない。キャリブレーション・ドリフトと呼ぶ位置ズ…
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音波方式
acoustic wave type
音波方式タッチ・パネルは,タッチすることでディスプレイの表面に走る超音波やディスプレイ全体を伝わる板波を利用して,タッチ位置を検出する方式である。前者の超音波を利用する方式は超音波表面弾性波方式,後者の板波を利用する方式は音響波照合方式と呼ばれる。
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抵抗膜方式
resistive type
40年の歴史を持つタッチ・パネル技術において,最も古くからある方式であり,現在も主流の方式の一つである。2009年のタッチ・パネル出荷金額のうち約半分を抵抗膜方式が占めている。メーカー数も世界中で50社以上ある。
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静電容量方式
capacitive type
静電容量方式タッチ・パネルを搭載した米Apple Inc.の「iPhone」のヒットが契機となって,急速に市場が拡大している。2010年4月発売のタブレット端末「iPad」にも採用され,タッチ・パネル市場全体での存在感は一層高まっている。2010年には,静電容量方式タッチ・パネルの出荷金額が抵抗膜方…
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2D-3D変換
2D-3D conversion
2D-3D変換は,2次元(2D)を基に3次元(3D)を作りだす際に用いる。今,2D-3D変換技術の進歩が目覚しい。2Dの放送や2Dのビデオ・カメラで撮影したフルHDの映像を,自動的かつリアルタイムに,しかも違和感のない3D映像に変換できる水準に達しつつある。3D映像の制作コストを大幅に押し下げ,大き…
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3Dカメラ
3D camera
3Dカメラとは,3次元(3D)ディスプレイに表示するための3Dコンテンツを撮影するために用いるカメラのことである。右目用の映像と左目用の映像を撮影できるように,一般的にはカメラを2個組み合わせたものを使う。カメラの配置は人間の両目の配置に近くなるように,レンズ間距離を人間の目の間隔に合わせて50mm…
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メガネ式
glass type
メガネ式とは,メガネを掛けて3次元(3D)映像を視聴するものを指す。ここで用いるメガネは「3Dメガネ」とも呼ばれる。3D映画コンテンツを利用することを見込むほとんどのシステムが,3D映像を見せる手段として3Dメガネを利用する。RealD方式,Dolby方式,そしてXpanD方式など,3D映像を映し出…
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裸眼式
glassless type
裸眼式とは,メガネを使わずに3次元(3D)映像を視聴するものを指す。富士フイルムのデジタル・カメラや東芝が2010年12月に発売する液晶テレビ,任天堂が2011年2月に発売する携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS」など,裸眼式ディスプレイを採用する例は増えてきた。
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3Dテレビ
3D TV
3Dテレビとは,3次元(3D)映像を表示できるテレビのこと。2010年2月末以降,3Dテレビが世界で相次ぎ発売されている。2010年2月に韓国Samsung Electronics Co., Ltd.,同3月に韓国LG Electronics Inc.,同4月にパナソニック,同6月にソニー,同7月に…
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プロジェクター
projector
画像や映像を壁やスクリーンに投射する装置。表示素子には,LCOS(liquid crystal on silicon)を含めた液晶パネルや,DMD(digital mirror device)やMEMSミラーが用いられる。光源には,高圧水銀(UHP)ランプやLED,レーザなどを使う。
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デジタル・サイネージ
digital signage
街角の看板やポスターを電子化して動画を表示可能にしたもの。欧米を中心に,2004年ごろから年率20%超で市場が拡大している。駅や繁華街,ホテル,ファストフード店に設置したり,各種の自動販売機などに内蔵したりする形が多い。以前からLEDなどを用いた超大型の電光掲示板はあったが,最近は液晶パネルやプロジ…
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スマートフォン
smartphone
音声通話機能やデータ通信機能を持ちながら,パソコンに近い使い勝手を実現した携帯端末の総称。厳密な定義はないが,?アプリを導入して機能を追加できる,?Webアプリをパソコンと同様に実行できる,といった特徴を持つ端末を指すことが多い。
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タブレット端末
tablet device
厳密な定義はないが,主に10型前後のタッチ・パネルを搭載し,キーボードが不要な携帯型コンピュータのこと。タブレット(tablet)とは,板状小片,書字板の意味である。
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デジタル放送/テレビ
digital broadcasting/digital television
テレビ放送は,実用化されてからこれまで,アナログ技術に基づく方式を使ってきた。ところが1990年ころから米国,欧州,日本を中心にデジタル技術を基本にした方式へと移行する動きが始まった。デジタル化に伴い,高精細の映像を使ったHDTV(high definition television)放送が可能にな…
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セル工程/モジュール工程
cell process/module process
液晶セルは,前段のTFTアレイ工程によってTFTアレイが作り込まれたガラス基板と,カラー表示するためのカラー・フィルタ基板を張り合わせ,その間に液晶材料を封入したものである。この液晶セルを製造する液晶セル工程では,液晶分子の向きをそろえるための配向膜をTFTアレイ基板やカラー・フィルタ基板に塗布し,…
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生産ライン
production line
TFT液晶パネルの量産が始まった1990年代初めから,液晶パネル生産ラインは進化を続け,現在では「第10世代」と呼ばれる生産ラインが稼働している。この「世代」がガラス基板寸法を示すことから見て取れるように,液晶パネル生産ラインの進化の軸は大型基板対応にあったといえる。液晶パネルの画面サイズが大きくな…
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TFTアレイ工程
TFT array process
液晶パネルを製造の観点から見ると,TFTアレイ工程,液晶セル工程,液晶モジュール工程の三つに分類できる。各工程では,特有の製造装置や部品・材料が使われている。このような液晶パネル製造工程のうち,特にTFTアレイ工程と液晶セル工程は液晶パネルの表示性能を左右する重要な工程である。特にTFTアレイ工程は…
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光源
light source
液晶パネルのバックライト用光源は,CCFLとLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)の2種類が主流である。このほかにも熱陰極管(Hot Cathode Fluorescent Lamp: HCFL),紫外LED,有機EL(Electroluminescence), Xe放電…
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カラー・フィルタ
color filter
現行の液晶パネルのほとんどは,カラー・フィルタを用いてカラー表示を実現する。縦糸と横糸が異なる色の織物と同様に,小さな点や線を並べることによる加法混色により,カラー表示に対応する。R(赤),G(緑),B(青)の3色のサブピクセルで1画素を構成したものがほとんどであり,3色が混ざると白色になる。離れて…