KS認証規格マーク
KS認証規格マーク
LED照明の標準規格はKS認証に含まれる。韓国知識経済部技術標準院の資料から。

 韓国の工業規格で,日本の「JIS規格」に相当する。2009年に入り,KS規格内でLED照明の安全および性能要求事項が新たに規定された。例えば,コンバータ内蔵型LEDランプであれば220V,60Hz,60W以下といった規定がある。

 そもそもKS認証規格は知識済部技術標準院が1963年に導入したものであり,今回制定された規格はLED照明にかかわる部分を盛り込むなど一部を改正したもの。KS認証規格は2009年,実に46年ぶりに改変されたことになる。

 KS認証規格とは,韓国産業規格(Korean Industrial Standards)の略称である。産業標準化法に基づいて制定される工業製品の標準規格であり,この規格は韓国製の工業製品の品質向上,維持などを目的に制定されている。今回,品質管理対象品目の加除,審査基準の見直し,認証システムの改善などが盛り込まれた。対象製品として,新たにLEDや2次電池,有機EL,ディスプレイ部品などの先端産業の48品目を加えている。KS認証規格は17部門に分類されており,AからXまでの記号を持つ。LED照明はその中の電機(C)に含まれる。

 LED照明に関する標準化では一般的に,安全性と要求性能の二つが議論されることが多い。KS認証規格では,「安全性要求」と「性能要求事項」が同一の規格に入っている。ちなみに日本では,既にJISC 8154「一般照明用LEDモジュール-安全仕様」を制定し,現在,JIS規格に向けたJIS C 8156「一般照明用電球形LEDランプ-安全仕様」原案とJIS C 8155「一般照明用LEDモジュール-性能事項」原案の二つが検討されており,安全仕様と性能事項は別々に協議されている。このことから考えると,KS認証規格で安全性と要求性能を同一の規格に収めている点は特徴といえよう。そのため,IECからは安全性と要求性能を同一の規格内に入れることには疑問が投げ掛けられている。また,「規格としての完成度が低く,実用的ではない」と参加した委員からの声もあるなど,問題点も含んだままの標準化ともいえる。