光束は,光源全体の明るさを示す指標である。単位はlm(ルーメン)。照明用光源の明るさを表す際によく用いられる。光源から放射された光の明るさを人の目の感度(視感度)を考慮して表した物理量となる。具体的には,等方性の光度1cd(カンデラ)の光源から1s(r ステラジアン)の立体角内に放射される光束が1lmとなる。ここでsrは立体角の単位であり,球の半径(r )の2乗(r 2)の面積を,球面上から切り取る円錐形状の頂点が成す角を示す。

 光度は,光束の立体角密度を示す指標である。単位はcd。表示用LEDなどのまぶしさを表す際に用いられることが多い。周波数540×1012Hz(波長555nm)の単色放射を放出し,所定の方向におけるその放射強度が1/683W/srである光源の,その方向における光度が1cdと定義される。

 輝度は,光源をはじめ,反射面や透過面などの2次光源から観測者に向かって発する光の強さを示す指標である。単位はcd/m2。光束と同様に人の目の感度に合わせて表した物理量となる。液晶パネルやPDPといった,ディスプレイの画面の明るさを表す際によく用いられる。

  照度は,平面内に照射された光の明るさを示す指標である。単位はlx(ルクス)で,lm/m2と表すこともある。光源から平面状の物体に向けて放射された光束のうち,単位面積当たりに入射する光束の量となる。照明器具では,その器具で面を照射したときの面上での明るさを比較する際に用いられる。

 光束と光度,輝度,照度の関係を簡単にまとめると,光束を単位立体角で割ったものが光度,光束を照射する単位面積で割ったものが照度,光度を照射する単位面積で割ったものが輝度となる。

光束と照度,光度の関係をまとめたもの
光束と照度,光度の関係をまとめたもの
(図:日亜化学工業の資料を基に本誌が作成)