光の色を,黒体(外部からの光を完全に吸収する仮想の物体)の温度で表した数字。単位はK(ケルビン)を用いる。黒体が放出する光の波長分布(色合い)は,温度によって異なる。蛍光灯や白色LEDの光の色や,ディスプレイの白表示の色合いなどを表現するときに利用される。一般に色温度が低いと赤みを帯び,高いと青っぽく見える。

 白色LEDを例に取ると,青色LEDチップと黄色蛍光体を組み合わせる一般的な品種(平均演色評価数Raが70台)は色温度が6000K以上の昼光色となり,赤色蛍光体を追加するなど赤色発光を加えた電球色LEDは色温度が3000K以下となることが多い。青色LEDチップと組み合わせる蛍光体の発光色の組み合わせを工夫することで,4000K台や5000K台などの色温度も得られる。色温度は,照明器具を設ける場所によって使い分ける。例えば,オフィスなどは昼間の太陽光に近い,色温度が高い照明が好まれ,一般家庭やレストランなどでは白熱電球に近い色温度が低い照明が好まれる場合が多い。

 最近は,1日の時間変化や季節に応じて調光する取り組みがある。例えば,LEDを使って細かく調整する照明システムを岡村製作所が販売する。人間の体内時計による約1日周期のリズムに合わせて照度や色温度を変化させる機能を備えたことが特徴。調光プログラムは,あらかじめ年間(365日)を1日ごとにプリセットしておく。時間や季節に合わせて,照度を400~800lxの範囲の5段階,色温度を3000~5000Kの範囲の5段階で変化させる。こうすることで,朝に目覚め,日中に活動し,夜に眠るという自然環境に適合した人間の1日の周期に合うように調光できるようになるという。人間にとって過ごしやすい光環境を得られるので,人間は効率的に仕事をこなせるとする。このシステムは,照明デザイナーの石井幹子氏のコンセプトを基に,岡村製作所とローム,石井幹子デザイン事務所が共同開発した。

照度や色温度の変化
照度や色温度の変化
照明デザイナーの石井幹子氏のコンセプトを基に,岡村製作所とローム,石井幹子デザイン事務所が共同開発した「次・オフィス ライティングシステム」による調光プログラム。時間や季節に合わせて,照度や色温度を変化させる。