日亜化学工業が2002年に発表した紫外LED
日亜化学工業が2002年に発表した紫外LED
LEDのチップの大きさを1mm×1mmと一般的なLEDの10倍に大きくし,かつ金属性のパッケージ内に収めた。(図:日亜化学工業)

 紫外光を発するダイオードのこと。一般的に,発光波長の中心が400nm未満のLEDを指すが,380nm程度より発光波長が長い場合には近紫外LED,同300nmより短い場合には深紫外LEDと呼ぶことがある。波長が短い光は殺菌効果が高いため,紫外LEDは冷蔵庫や家電などの殺菌や消臭といった用途や,さらには蛍光体と組み合わせて可視光を発するLEDなどにも使われる。例えば,赤色や緑色,青色の蛍光体と紫外LEDにより,白色LEDを得られる。

 紫外LEDには主に,GaN系半導体が使われる。製品としては,例えば,日亜化学工業が発光波長の中心が365nmから385nmの品種,ナイトライドセミコンダクターが同355nmから375nmの品種などを販売している。波長が300nmを切る深紫外LEDの開発も盛んであり,2008年には理化学研究所とパナソニック電工(当時は松下電工)がGaN系半導体であるInAlGaNを使って発光波長の中心が282nmで光出力10mWの深紫外LEDを開発したことを発表した。より波長が短い深紫外LEDについては,NTT物性科学基礎研究所がAlN材料を使って同210nmを得た。