LEDを光源として使う,白熱電球型の照明器具。白熱電球や電球型蛍光ランプのように,E26やE17といった交流電力を供給する口金に取り付けて使う。

 2009年上半期,多くのメーカーが電球型LED照明を発表し,LED電球の価格競争が激化している。口火を切ったのはシャープ。2009年6月に発表した新製品で,白熱電球40W相当品で約3900円,同60W相当品で約4000円と,市場推定価格を従来製品の約半分に設定した。「白熱電球は約100円で寿命が1000時間なので,寿命4万時間のLED電球は4000円とした」(同社)。単位時間当たりの価格で白熱電球と同等という価格設定を実現するため,LED,電源の部品・材料コストを削減したという。

 シャープに対抗すべく,東芝ライテックなどライバルも動いた。2009年9月,パナソニックがついにLED電球を発表した。照明では国内最大手のパナソニックがやや後発となったことについては,「長時間の使用に堪えるよう,性能検証に時間をかけた」(同社)とする。同社は2012年度の国内のLED電球市場を3000万個と予測しており,その時点でシェア50%となる1500万個の販売を目指す。

 照明メーカーはLED電球のコスト面では苦しい状況にあるとみられながら低価格競争を繰り広げているのは,同市場は先手必勝との見方が業界で強いためである。長寿命を特徴とするLED照明では,普及後の大きな交換需要が見込めない状況にある。

急激に低価格化したLED電球
東芝ライテック製品の価格の推移を示した。白熱電球60W相当のレフランプ・ミゼット型は,実売で9000円ほどしていた。2009年3月に実売で8000円程度の電球型を投入したが,4カ月後にはシャープ製品に追随して実売価格で4000円を切る製品を投入した。
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