主に白色LEDを使った照明のこと。従来は主に装飾的な照明用途に使われるのみだった。最近は照明器具の消費電力を削減する手段として注目を集めており,室内の一般的な照明に使われ始めている。

 環境意識の高まりを背景に,LEDや有機ELといった次世代の照明が注目を浴びている。寿命が短く消費電力の大きな白熱電球の製造・販売を中止し,より高効率の照明に切り替えようという機運が世界的に高まっているからだ。日本でも経済産業省らの要請に応えて,東芝ライテックが2010年3月に白熱電球の製造を原則中止した。有機EL照明は発光効率がまだ低く量産化は2012年以降とみられているものの,LED照明は当面の白熱電球代替の最右翼候補だった蛍光灯を追い越す勢いで急浮上している。

 LED照明の普及を後押しするのが白色LEDの技術進化だ。現在の白色LEDパッケージの発光効率は100lm/W達している。照明器具の総合効率でも70~80lm/W前後まで高まっている。しかも,「150lm/Wは既に射程内」(LEDパッケージ・メーカー)。2012年ごろには実現するとみられており,蛍光灯を上回る効率となる。

 普及の足かせとなっている価格も,「LEDパッケージの価格は年率1~2割は下がっているのではないか」(LEDパッケージ・メーカー)といわれており,今後数年で大きな障壁ではなくなるだろう。2010年には,普及のしきい値とされる1円/lmまで下がるとみられている。蛍光灯の4倍近いLED照明の寿命を考えると,総合コストで十分蛍光灯の代替照明となり得る。

世界市場では照明向けが2割を超す
野村総合研究所の調べによると,世界の白色LED照明市場は,2012年には2009年の3倍近くになる。白色LED市場全体に占める割合も2012年には照明用が20%を超し,LED 市場に与える影響はますます大きくなっている。日経マーケット・アクセスの資料を基に本誌が作成。
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