2009年4月末に「DiiVA 1.0」として正式に仕様が策定されたAV機器の映像/音声インタフェース規格。HDMIと同じく,非圧縮のHD映像を伝送できる。DiiVA対応機器は2010年ごろに登場する見込みである。なお,2009年6月時点での仕様は「DiiVA 1.0a」である。

 DiiVAを主導するのは,中国の主要AV機器メーカーである。加えて,中国の政府機関「中国工業和信息化部(MIIT)」や,業界団体である「CVIA」の支持も受けている。このため,「中国版HDMI」とも呼ばれる。中国メーカーだけでなく,韓国LG Electronics Inc.やパナソニック,韓国Samsung Electronics Co.,Ltd.,シャープといった韓国メーカーや日本メーカーも「Contributor」として加わっている。

 DiiVAは,映像伝送用の3対の信号線「Video Link」と,接続した機器同士を制御する信号などを双方向通信できる1対の信号線「Hybrid Link」がある。クロック信号を重畳し,8B/10Bで符号化してデータ伝送する。このため,クロック信号線は不要である。

 最大データ伝送速度に関しては,映像用の信号線1対当たりの最大データ伝送速度は4.5Gビット/秒で,3対で13.5Gビット/秒。双方向通信用の信号線は,片方向で2.13Gビット/秒の速度を稼ぎ出す。

 DiiVAは,複数の機器で,コンテンツを共有するネットワーク機能も備える。デイジーチェーン型やスター型などのトポロジーに対応する。ネットワーク上にある複数の機器を経由しながら,非圧縮のHD映像を伝送できる。最大伝送距離は25mと長い。