製品や設備,環境などの状況から,起こりうる危害
の程度と発生頻度を推定し,危険の大きさを評価するリスク・アセスメントの手法の一つ。R-Mapには,リスクを定量評価し,社会的に許容されるか否かを視覚的に判断しやすいという特徴がある。

 2008年に経済産業省は「電気用品安全法」や「消費生活用製品安全法」などのいわゆる製品安全4法を改正し,開発設計段階でのリスク・アセスメントの実施を義務付ける方針を表明した。同省は,R-Mapの導入を想定している。

 R-Mapは,縦軸を「発生頻度」,横軸を「危害の程度」としたマトリクス状のマップでリスクの大きさを表す(図)。リスクの大きさを,受け入れられないリスク「A」,原則は許容されないがコストや効用によって認める「B」,許容可能な「C」の三つに大別し,AやBのリスクが,Cになるまで対策と評価を繰り返す。

 リスクの抽出には,これまでも製品設計でよく利用されてきた,FMEA(failure mode and effects analysis)やFTA(fault tree analysis),ETA(event tree analysis)といった信頼性解析手法などを併用する場合もある。

危害の程度と発生頻度から,リスクの大きさを評価する。リスクが大きい(AやB)場合は,対策を検討して社会的に許容されるレベル(C)にまで低減させる。
危害の程度と発生頻度から,リスクの大きさを評価する。リスクが大きい(AやB)場合は,対策を検討して社会的に許容されるレベル(C)にまで低減させる。 (画像のクリックで拡大)