通信機能やほかの機器の管理機能を持つ高機能型の電力メーターを含んだシステムを指す。「AMI(advanced metering infrastructure)」とも呼ばれる。電力メーターに数十~100m程度の近距離無線機能を組み込んで,エアコンや照明,温度計,セキュリティー機器といった家庭や事業所内の設備系機器を接続する。こうして,電力メーターを介して機器の稼動状況などをネットワーク経由で電力会社が管理するというもの。

 電力メーターと,家庭内の設備系機器を無線で接続するのは,家庭内にある機器のエネルギー利用量の管理するためである。まずは,家庭内のエネルギー利用状況を「見える化」し,ユーザーに提示して省電力を促す。将来的には電力事業者がネットワーク制御でエアコンの温度設定を変更するといった活用まで視野に入れている。
 
 米国の電力事業者は2008年前半に,家庭内の機器を電力メーターから制御するための標準仕様「OpenHAN(home area network)」を策定している。策定の中心となったのは,PG&E社やSCE社のほか,American Electric Power社やDetroit Edison社など,米国の大手電力事業者である。OpenHANは,さまざまなネットワーク技術を物理層として利用できる。その上で家庭内の設備系機器を制御するアプリケーション・ソフトウエアを実行するAPIを規定した。

図 「スマートメーター」のコンセプト
図 「スマートメーター」のコンセプト (画像のクリックで拡大)