携帯電話機としての音声通話機能やデータ通信機能を持ちながら,パソコンに近い使い勝手を実現した携帯端末の総称。2002年ごろから欧米を中心とした普及,発展した製品分野である。

 実のところ,スマートフォンに厳密な定義はない。当初の位置付けは「携帯電話機にPDAのようなPIM(personal information manager)機能を持たせたもの」だったが,既に携帯電話機の多くが高度なPIM機能を持つ現在では適切な定義とは言い難い。あえて,現時点における特徴をあえて挙げると次の二つになる。

(1)独自のソフトウエア・プラットフォームを持ち,アプリケーション・ソフトウエアを導入して機能を追加できること。

(2)高度なWebアプリケーションをパソコンに近い使い勝手で実行できること。

 該当するソフトウエア・プラットフォームとしては,フィンランドNokia社の「S60(Symbian OS)」,米Microsoft Corp.の「Windows Mobile」,カナダResearch In Motion社の「BlackBerry OS」,米Apple社の「iPhone OS」,米Google社の「Android」がある。