コンテンツを暗号化し,視聴が許可されたユーザーや機器だけがそのコンテンツを再生できるようにする技術。デジタル・コンテンツの権利者利益を守る技術として用いられる。
DRM技術は主に3種類に分類できる。一つは,光ディスクやメモリ・カードなどが持つID情報などで媒体を認証し,それに基づく鍵で媒体上のデータを暗号化する方式。DVD-RやSDメモリーカードに使う「CPRM」,次世代光ディスクに使う「AACS」などがある。
二つめは,デジタル・インタフェースや放送波などの通信経路を通るデータを,機器の認証に基づいて暗号化する方式。国内の地上/BSデジタル放送が採用する「B-CAS」のように共通鍵を利用するもの,「DTCP」や「HDCP」のようにセッション用の鍵をその都度生成するものがある。地上デジタル放送の「コピー・ワンス」や「ダビング10」は,ここまでの2種類の技術を連携させて実現している。
最後の一つは,米Apple Inc.の「iPod」が採用している「FairPlay」や,米Microsoft Corp.の「Windows Media DRM」のように,ユーザーや機器の認証に基づく鍵でコンテンツを暗号化し,それを格納したファイルを伝送する方式。機器やユーザーがコンテンツを視聴する権限を持っているかどうかを,ファイルを開くたびに確認し,権限を持っているときだけ視聴できるようにする。