端子ピッチが異なるLSIチップとメイン基板の間で中継するものをインターポーザと呼ぶ。SiP(system in a package)のように複数のLSIを搭載する場合は,LSI間の接続を担う役割を持つこともある。

 一方,Siインターポーザは配線のみを作り込んだSiチップで,チップ上に複数のLSIを実装するSiPの実現手段の一つである。ただし,製造コストが高いため,用途が限定されている。

 Siインターポーザは,LSI間の配線を担うことを主な目的とする。元々,メモリ・バスの高速化に適したSiP実現手段の一つとして提案されていた。配線長や配線幅を小さくできるため,周波数の高い信号で課題となる配線の寄生容量や配線長のバラつきなどを減らせ,高周波回路の設計が容易になる。また,LSI間の配線はSiインターポーザ内で完結するので,メイン基板へ接続する端子を減らして結果的に端子ピッチを拡大することも可能。コストという課題さえ解決されれば,用途は広い。

 そこで,Siインターポーザに配線だけでなく他の部品も集積することで,コストを吸収しようという提案が相次いでいる。例えば,テクノロジー・アライアンス・グループ(TAG)は,Siインターポーザの中に簡単な論理回路やアナログ回路,受動部品などを集積し,それをASICやメモリと組み合わせてパッケージングした「PerfectSoC」というモジュール実装技術を提案した。



Siインターポーザに受動部品も電源回路も集積 (日経エレクトロニクス2006年11月20日号より抜粋)