一定の帯域の無線周波数帯に対して最高の金額を入札した者がその周波数帯を利用する権利を得る制度。米国では1994年7月以後,商用の周波数割り当てを決める標準的な方法になっている。

 周波数オークションの最大のメリットは割り当て手続きの透明性が確保されることである。一方で落札価格が高騰しやすい問題がある。第3世代携帯電話(3G)で周波数オークションを実施した英国やドイツは,落札価格が数兆円に達したために,肝心のサービス開始が大幅に遅れたことがある。

 周波数割り当ての方法としては,現在日本で主流となっている「比較審査方式」がある。周波数帯を利用したい事業者に事業計画や予算を提示させ,政府などが事業として優れた方を選ぶものである。この方式は,しばしば「美人コンテスト」などとやゆされ,選ばれなかった企業がその審査基準に不満を募らせやすい。

 周波数オークションが採用されるまでは米国でも,周波数帯の公平公正な割り当てを目指して,比較審査方式や「抽選(lottery)方式」などで試行錯誤を繰り返していた。