system on glass

 ガラス基板上にICを形成する技術。一般的に,低温多結晶Si技術を利用して,中小型の液晶パネルや有機ELパネルのTFTアレイの周囲にゲート・ドライバやソース・ドライバICなどを形成している。TFTアレイ上にゲート・ドライバICなどを直接実装するCOG技術と比べて,パネル・モジュールの薄型化や軽量化を実現できるほか,コストダウンを図れる。

 最近は,TFTアレイ上にフォトダイオードを形成することで,さまざまな機能を備えた液晶パネルや有機ELパネルが登場している。東芝松下ディスプレイテクノロジー(TMD)やシャープは画素内に形成した低温多結晶Siのフォトダイオードで光の量を検出し,タッチ入力を実現する。光検出を利用することでスキャナー機能も備える。

 TFTアレイ上にフォトダイオードを形成する技術は,周囲の明るさの変化に応じて有機EL素子や液晶パネルのバックライトの輝度を自動調光する機能にも使える。例えば,韓国Samsung SDI Co.,Ltd.はこの機能を搭載した2.1型の有機ELパネルを開発した。有機ELパネルの最大輝度を夜(50~250lx)は50cd/m2,曇天時(250 ~5万lx)は150cd/m2,晴天時(10万lx)は300cd/m2と3段階に変化させることで,有機ELパネルの視認性を維持しつつ,低消費電力化を図った。