データ・ストリームなどを拡散符号と呼ぶ特定の符号を用いて演算処理することで,元のデータの周波数帯域よりも広い帯域に信号を拡散させてから伝送する方式。

 拡散符号の符号速度(1/Tc)は,送信信号のシンボル速度(1/Ts)より高速である(図)。乗算の結果,周波数帯域は拡散されることになる。受信側では,同じ拡散符号を乗算(逆拡散処理)すると,元の信号が復元される。1×1も,-1×-1も,共に1になるからだ。つまり,同じ拡散符号を利用する端末同士で,通信が可能になる。無線区間で混入した雑音は,受信側で拡散符号を乗算したときに分散される。


図 スペクトラム拡散の原理
図 スペクトラム拡散の原理 (日経エレクトロニクス2007年7月16日号より抜粋)

【訂正】
記事公開当初,図版が異なるものになっておりました。現在は正しい図を入れてあります。読者のみなさまにお詫びして訂正いたします。